活動報告

Activity

第2回領域会議を開催 公募班の参加で一層活発な意見交換の場に

Posted: 2025.07.22

第2回領域会議
2025年6月24日(火)~ 26日(木)@千葉県幕張

第2回領域会議は3日間にわたり開催され、第1回とは異なり、新たに公募班のメンバーも加わったことで、規模も内容も一段と充実し、盛大な会となりました。

会期中は多彩な口頭発表およびポスター発表を通じて、活発な意見交換が行われ、領域全体の研究の進展を感じさせる充実した機会となりました。

なお、特に優れたポスター発表を行った発表者に対して「優秀ポスター賞」が授与されました。以下に、受賞者の皆さんをご紹介いたします。


〈優秀ポスター賞受賞者〉下記4名(敬称略)

  • 竹之下 憂祐 (深川G,大阪大学) 
  • 杜 一真 (広田G, がん研究会/東京理科大学)
  • 作田 浩輝 (柳澤G, 東京大学)  
  • 坂本 寛和 (公募, 東京大学) 

また、会議に参加した2名が、学生の視点から、率直な感想や気づきをまとめたレポートをご紹介します。

がん研究会がん研究所
実験病理部
東京大学大学院
医学系研究科
博士課程1年
河北 暢佳(劉 暢)

 この度、学術変革領域「クラスター細胞学」の第2回領域会議に、A01計画研究の広田班メンバーとして、参加されていただきました。このトーセイホテル&セミナー幕張で2泊3日の日程で開催された会議に参加した感想をレポートしたいと思います。
 本会議の初日は午後から始まりましたが、梅雨前線が接近していたこともあり息苦しいほど蒸し暑いなか、参加者が会場に次々と集まってきました。二日目に至ってはゲリラ豪雨が何度か通過して行ったようでしたが、私たちは幸運にも、ホテル内の快適な空間の中で過ごし、三日目の帰りには、会議の成功を象徴するかのように、カラッと晴れた青空が広がっていました。
 今回の領域会議では、計画班及び公募班の先生方による口頭発表とポスター発表が行われました。計画班は大きく細胞生物学をベースに、クライオ電子顕微鏡(CryoEM)やクライオ電子トモグラフィー(CryoET)、クライオ集束イオンビーム-走査型電子顕微鏡(CryoFIB-SEM)による構造解析、細胞内の分子動態を計測する顕微鏡解析、クラスターの特徴的な物理的特性の解析、理論生物学によるシミュレーション解析から構成されており、2年目に入って、相補的な研究の進捗を伺うことができました。公募班は今年の4月からの参加であり、「バイオロジカルクラスター」という本領域が掲げるコンセプトのなかに、実に多様な研究テーマを持ち込まれ、クラスター生物学の幅広さに圧倒されました。大きな学会とは違って、領域に関連した限られた人数での会議であったため、質疑応答や意見交換がしやすい環境でした。ポスター発表では、ゆったりした時間の中で、一つ一つの研究について詳細に聞くことができ、隙間がないほどに皆さんが活発に議論していたのが印象的でした。私も「分子構造変換によるPlk1キナーゼの活性化機構の解析」という演題でポスター発表し、たくさんの先生方とディスカッションすることで新たな解析手法の可能性や将来の方向性などについて大事なアドバイスを頂き、とても有意義な時間になりました。ポスター発表後には、夕食と懇親会と続きましたが、再び会場に戻った懇親会では、ポスターの前で議論の続きをしている人だかりができ、熱気あふれる会場は夜が更けていきました。
 本会議の中で一番印象的だったのは「共同研究」というキーワードでした。研究発表ではたくさんの先生がご自身のコアとなる技術を紹介していただき、「新たな共同研究に応用できたら嬉しい」とアピールされていました。また、プログラムの中に「共同研究打ち合わせ」が3コマも設定されており、それを活用して共同研究をその場で具体的な打ち合わせができたことはとても効果的でした。それぞれの研究の強みを「共同研究」を通じて掛け算をすることによって、本領域が掲げる「バイオロジカルクラスター」の研究が大きく発展するのだろうと思いました。私自身も、この機会を活用して、共同研究の計画を話し合うことができ、大きな収穫がありました。来年の領域会議では成果を発表することを目標に研究を進めていきたいと思います。
 私自身の研究者の道はまだ始まったばかりですが、今回の会議で感じた研究に対する情熱を常に忘れることなく、今後の研究生活の励みにして頑張っていきたいという思いを強くしました。
 最後に、このような貴重な機会を提供してくださった領域の先生方に、心より感謝いたします。

 2025年6月23日から25日まで、トーセイホテル&セミナー幕張にて開催された第2回領域会議に参加し、会場運営の一部にも関わらせていただきました。ここでは、領域会議に参加して私が感じたことを報告いたします。
 まず、普段参加している学会との違いとして私が強く感じたことに、プレデータを基にした研究の展望を発表される方が多かったことがあります。細胞内での「クラスター」という共通のキーワードにより多くの分野の研究者の方がつながり、それぞれの観点からクラスターの未知の部分に焦点を当てていました。こうした一見すると分野が異なるように見える場合であっても、共通のキーワードや認識をもとに大きな繋がりを持って研究に取り組むことの重要性が体感できました。私も、将来的にアカデミアで研究を続けていくことを希望しており、異なる分野の研究者同士が共通の課題(今回であれば細胞内クラスター)に注目すると、同じ課題に対してもここまで多様な切り口が出ることに驚くと同時に、私自身が今後研究を進める上でも重要な要素であると感じました。
 また、私自身はまだ修士の学生ですが、こうした領域会議が単にすでにキャリアのある研究者の方だけでなく、学生にとっては分野を超えたつながりを増やす場として有効であると感じました。私は現在、物理学を背景として細胞内の構造が全体の力学をどのように決定しているかを研究しています。こうした学際領域においては、多様な分野を専門にされている方との共同研究や議論が欠かせませんが、共同研究先を自身で見つけてきたり、学会で積極的に他分野の専門の方と議論をしたりすることには、現状ではハードルがあります。今回の領域会議でのポスター発表の際には、私自身があまり注目していなかった点にある物理的な面白さから、より生物学的な観点での応用の可能性まで、幅広く議論していただくことができました。こうした領域会議が単にすでにキャリアのある研究者の方だけでなく、学生にとっては分野を超えたつながりを増やす場として有効であると感じました。
 私自身は趣味で都市計画に関する活動を行うこともありますが、地域のコミュニティの維持には流動的なつながり(やそれを可能にする場の存在)が欠かせません。こうした学際領域の研究チームに複数所属することは、まさに研究において流動的なつながりを可能にすると思います。しかし、これまで私は研究者におけるつながりについて考えることがなかったので今回の領域会議はとても良い機会となりました。このような機会をいただけたことに感謝すると同時に、今後は研究に携わる者同士の国内外での分野の垣根を超えたつながりをどう生み出すかについても考えながら、俯瞰的視座を持った研究者となるべく日々研鑽したいと思います。

東京大学大学院
総合文化研究科
柳澤研究室
修士2年
増田 和俊